水前寺成趣園

大名庭園サミット熊本大会 実行委員会 会長 ご挨拶

実行委員会会長 三角保之
実行委員会会長 三角保之

この度の熊本大震災では熊本城が激烈な被害を受ける一方、水前寺成趣園でも湧水が一時枯れてしまうなど被害を受け、市民の中でも大変心配をされたものの、その後復旧して水位が平常に戻ったことは皆様ご承知のことと存じます。

しかしながら熊本を訪れる観光客が立入禁止の熊本城を遠くから眺めるばかりであり、頼みとすべき水前寺成趣園は以前に比べ入場者数が激減し、観光による復興を見ないままに熊本を素通りして他県に向かうといった状況の中で、現在を迎えてしまいました。

そのような中にあって今般、全国各地に点在する名園を市民の誇りとして守り、活性化を図ろうとして交流している「大名庭園民間交流協議会」の皆様から平成30年度に開催予定の「第12回大名庭園サミット」を熊本にて開催することを打診していただきました。

私たちは将来の熊本市を代表する文化遺産の1つとして水前寺成趣園を全国にアピールし、再度熊本を代表する観光地とすることを目指して「大名庭園サミット熊本大会」を開催し、成功させるべく、実行委員会を立ち上げ誘致活動を開始いたしました。

また「水戸偕楽園を愛する市民の会」様からは「全国の大名庭園を世界遺産に登録しよう」という提案がなされ、平成29年10月に開催された「大名庭園サミット岡山大会」では今後の運動目標とされることとなりました。

本文をご覧の皆様におかれましても私どもの運動にもご賛同いただき、熊本市の観光活性化に御力をお貸し下さいますようお願い申し上げる次第です。

大名庭園サミット熊本大会
実行委員会会長 三角保之

大名庭園サミット熊本大会開催について 名誉会長 ご挨拶

名誉会長 吉丸良治
名誉会長 吉丸良治

大名庭園民間交流協議会は、大名庭園固有の価値を見つめ直し、「暮らし、お茶文化、緑と水、植栽、池泉、眺望の復元」などをテーマに大名庭園間の交流と観光の発展を図り、地域振興に役立つことを目指して、各地の大名庭園を愛する団体によって運営されてきました。

        

この会を構成するのは、日本三大名園として名高い水戸市の「偕楽園」、金沢市の「兼六園」、岡山市の「岡山後楽園」を始め、北から「会津若松御薬園」、東京の「小石川後楽園」、福井市の「養浩館庭園」、彦根市の「玄宮園」、広島市の「宿景園」、高松市の「栗林公園」、そして熊本市の「水前寺成趣園」を愛しその価値を伝えていこうと活動しているボランティアグループ、NPO法人などの民間団体です。

        

発足から10年が過ぎ、改めて大名庭園を「世界遺産登録を視野に活動の幅を広げてはどうか」という声が大名庭園の価値を伝えようと言う動きの中で上がりました。

        

この提案は全会一致で承認され、「水戸偕楽園公園を愛する市民の会」が事務局を務めることとなり、次回のサミットの大きなテーマになったところです。

        

このような変革の年に大名庭園民間交流協議会大名庭園サミットが熊本で開かれることとなりました。現在のところ、未定の部分も多く、これからというところですが、皆様におかれましてはぜひともご賛同を承りたくお願い申し上げる次第です。

        

熊本庭園サミット 熊本大会 実行委員会
名誉会長 吉丸良治
会長   三角保之
副会長  杉光定則
副会長  今村克彦
副会長  玉真勇一
参与   副島隆
参与   吉村浩平
参与   宮崎國忠

水前寺成趣園を愛する市民の会 市民の会会長 ご挨拶

会長 副島隆
会長 副島隆

2016年4月、ニ度にわたる震度7の熊本地震で水前寺成趣園の池の水は突然枯れてしまいました。

        

成趣園に建立されています「古今伝授の間」は、細川家の文化財を収蔵する永青文庫様より維持管理を任されておりますので、壊れていまいかすぐに見に行きました。幸い「古今伝授の間」は無事でほっとしましたが、池の水がありません。普段は湧水が広い池に何か所からも湧いており砂利は見えません。

        

しかし、池の中は、砂利の鼠色で覆われ、残った少しの深みに鯉がたくさん集まっていました。砂利の多さに驚きましたが、あれだけの砂利が投入されたのは(昭和28年)6・26の水害後と聞いております。砂利を取り除けば池の水が湧いてくるのではと推測しましたが、後に湧水が復活しましたので安心しました。

       

九月頃にはボランティアで池の清掃を100人くらいでしておりますが、砂利を取り除くための清掃をすればもっと清らかな湧水がよみがえると期待しています。

      

「古今伝授の間」は、京都の『桂離宮』を建てられた八條宮智仁親王が幼少の頃、御学問所としてご使用になられた建物です。慶長5年(1600)、この中で、細川家初代の細川幽斎公が古今和歌集の解釈の奥義を伝授されました。その故をもって「古今伝授の間」と呼ばれていました。 細川幽斎公に下賜され1912年に水前寺に移築されました。智仁親王は京都に桂離宮をその後建立されております。その姿は「古今伝授の間」とよく似た所があり、石畳・入口の門などそっくりです。

      

第107代後陽成天皇の弟であらせられた智仁親王は豊臣家に養子として天皇家を離れられましたが、天皇家に初代の親王として御戻りになられました。

大名庭園サミットが熊本で開催される運びとなり、これからそれぞれの庭園が世界遺産として登録され庭園文化が花開くことと念願しております。

水前寺成趣園を愛する市民の会
会長 副島隆